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2007年12月31日

千葉消防徒然話番外編 東京消防庁バージョン その4

東消庁の今世紀最大のミステリー???(その3)


千葉市 TAK

久々ミステリーシリーズを投稿させていただきます。


−−−東消庁の今世紀最大の謎。(その3)と、かけて−−−

・LS(屈折式空中作業車)は人命救助には向いていない?!

ミステリアス・・・

−−−−−−そのこころは−−−−−−


LSは中高層建物の人命救助には向いていない?
そんな馬鹿な! と、皆様がそう思われるのは当然の話しと思います。
ところが東消庁の過去の実際の中高層建物災害現場においての外部進入のケースで建物に架梯して人命救出にあたった部隊は圧倒的にL隊が多く、(もちろんLRも含んで。)
救助実績もLS隊については実際比較にならないくらい少ないようです。
ハシゴ隊として2着以内の先着でもない限り積極的な人命救助活動をしていることがあまり見うけられません。
(LTは話しが別。複数の救助実績も実際にあります。)
どちらかというと2出以上の中高層建物大規模災害現場ではL隊が建物正面にずらりと部署して架梯・救助活動を積極的に行ない、LS隊は目前に要救助者が見えるとか他にその車両しか任務を遂行しえないとか緊急性が生じない限り、役割分担的に人命救助は救助隊、特救隊、梯子車隊に任せて同時並行で行われる防禦活動に最初から従事するケースが数多く見受けられます。
(全面的な初期からの救助戦最優先指令に基づく戦闘でない限り救助と防禦は当然同時に行われます。)
消防OBの方の戦術解説で、スノーケル車は高層の救助にはあまり役立たないことは、日本でも米国でも実証されているとはっきり言い切っておられる方も見うけられます。
地方の中小都市の自治体消防では保有台数の関係からスノーケル車がメインにならざるを得ない消防も
あるわけですが東消庁の場合、充実した梯子車の保有台数があるわけです。
LS隊の救助活動がやや不活発な理由としては、私めが思うに、

第1には屈折式空中作業車の梯子の最大作業高の問題があるわけです。
東消庁の通例では15mから23mまでで高さとしては5階程度までで高層、超高層には届きません。
特に火点の上層階で活動するには条件的に不利にならざるを得ません。
アウトリガーを広げた部署スペースの問題や、架梯時に問題になる障害物に対する条件はL隊とたいして違わないと思われますが、この点についてはやや意見が分かれて来るかと思われます。

第2にはこの話はリフターとバスケットがどちらが有効かという問題にも絡んでくるわけです。

東消庁には従来より

・リフターの付いていない梯子車(昭和20年代から40年代初めに活躍した古典型か、その昔の野方署配備の昭和43年製作の いすゞシャーシーの15m梯子車。(車両識別番号2189)のような中層用。
なぜこの野方Lのような中途半端なものを わざわざ製作したのかは東消庁の意図不明ですが。

・かつて東消庁で最も標準的であったリフター付の梯子車。
先端のバスケットは付いていませんでした。
(大体が30m級、一部は、35m、40m級。たまに玉川署にあったような20m級も。 これも中途半端の典型)

・近年のマギラスから始まったリフターなしのバスケットのみの梯子車。
(主に最近の輸入車。かつてのベンツシャーシー、メッツぎ装の車両はリフター付、バスケットなし。)

・現在の主流の国産車両のリフターもバスケットも両方付いた梯子車。
(大体が30m級、一部は、40m級。)

・スタンダードパターンのバスケット付屈折式空中作業車
(2節または3節の20m級、または15m級)
かつては驚くほどごっついトラス構造の梯体でしたが現在は細いスマートなものにかわりました。
昭和38年から40年にかけて製作された中野、本郷、西新井配置の20mの日野のシャーシー車両と
昭和42年製作の堀留のいすゞシャーシーの15mにはエアーラインを搭載していたのが大きな特徴でした。

・バスケット付直進式空中作業車。
(という車両がかつて東消庁に存在しました。20m級。
芝署本署(昭和37年製作:車両識別番号1732)と大森本署(昭和39年製作:車両識別番号1909)に配備されていました。
やはりエアーラインを搭載していたのが大きな特徴でした。)

・垂直伸長式の空中作業車(LT:レスキュータワー車)

などの各種が過去から現在にかけて存在した、あるいは存在しているわけですが、私めの見ていた限りでは高層からの救出は大体リフターを使って要救助者を降ろしていました。
(中には旧型のリフターなしのLで、要救助者が梯子にこわごわしがみつきながら自力で降りていっていくケースもありました。
本当は救助効率から言ったら緊急時の人数多数救助はこの方法が一番良いそうなのです。
リフターを使っての作業は意外に不効率なようです。)
火災現場の煙と緊迫感が漂う中で、火災建物に対して延伸した梯子を隊員がリフターに乗って腕を振って合図を出しながら(中にはチンチンとベルを鳴らしながら)
スルスル上がっていく風景が一般的だったわけです。
ところが近年のマギラスの導入によって(当時欧米に対する輸出大幅超過問題で日本政府の強い要望によって購入が促進されたとも聞いております。
ほんとかな?)
様相は一変し、梯子の伸縮とブーム運動でバスケットを昇降させて要救助者を降ろす方が一般的になってしまったわけです。
(国産車もマギラスに倣って殆どバスケットを付けるようになりました。)
バスケットは着脱式なので旧来の方式も当然選択できるわけですがやはり使い勝手が良いようでバスケットを外しているケースは殆ど見うけられません。
作業に要する時間はあまりどちらも大差ないと思われます。
それなら安全で作業環境にゆとりの生じるバスケットの方が良いのでしょう。
(特に水難活動などでのマイナス角度での延伸ではぜんぜん楽でしょう。)梯子の最先端部分(放水銃のあるところ)の隊員用の足場というのは驚くほど小さいんですね。
ほとんど足を載せるくらいしかありません。あんな状態でグラグラ揺られながら長時間梯上放水作業を続けるなんて殆ど信じられないくらいです。
やはりバスケットの上の方が追加ホースやスタンドパイプ、呼吸器の予備ボンベなど重量物も楽に運び上げられて完全に楽でしょうね。
昔から防禦活動のしやすさではバスケットを付けていたLSはLに勝っていたわけです。エアーラインを搭載していた車両は特にそうだったでしょう。

東消庁のLS隊は現状としては減少傾向を示しているわけでLとの差別化がなくなってきた以上、LSが更に減少傾向を示して行くのは時代の流れとはいえ、仕方のないことなのかもしれません。


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投稿日:1999年2月20日 Rescue119さんのBBSに書き込み
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投稿者 taksoho : 2007年12月31日 05:45

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